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支援活動報告:ネパール・ヘルスキャンプ 2017(バンディプール)

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■ 支援活動報告:ネパール・ヘルスキャンプ (バンディプール) 2017

期間(日本発着):  2017年8月9日(水)〜16日(水)の8日間

ヘルスキャンプの期間:8/11 (金)〜8/15 (火)の5日間

開催地:Bandipur Technical Institute (Dumre-Bandipur Rd, Bandipur 33904 ネパール)

引用元:Google

ネパールの首都カトマンズに着いた私たちは昼食をとる間もなく、現地スタッフが用意してくれた中古のハイエースに乗り込んで今回のヘルスキャンプ開催地バンディプールに向かった。

 

ヘルスキャンプが開催されるのは、カトマンズのように医療施設が多くある都市ではなく地方の街である。

近年、主要道路が整備されてきたとはいえ、メンテナンスが行われることがない道はところどころが陥没していて、決して気持ちが良いドライブとは言えない。

もちろん冷房がきく車の訳はなく、窓を開け、マスクをして埃っぽい道を走ること6時間、すっかり外の景色が暗闇に包まれた頃に私たち一行はバンディプールに着いた。

 

出迎えてくれたネパール人鍼灸師たちと再会を喜んだあと、懐中電灯で車内を照らしながら荷物を下ろし、古いレンガの道を重いスーツケースを引きずり、歩いてホテルに向かった。

山間部にあるこの古い町は、平たんな道がほとんどない。

歓迎の食事会とお湯が出るシャワーにホッとして、この日は眠りについた。

 

次の日から早速ヘルスキャンプが始まった。

朝の6時に朝食を食べた後、歩いて10分ほどの所にあるヘルスキャンプの会場になっている学校へ向かう。

もちろん治療ベットなどなく、床にゴザとマットレスを敷いただけの簡易治療スペースで鍼灸治療を行うのである。

 

 

坐位で行える膝の治療は、長椅子に患者を座らせて行う。

8月のネパールは雨期で、山間部のこの街は雨がよく降る。

ヘルスキャンプ開催期間中も雨が降らない日はなく、陽が射せば一気に気温が上がる。

冷房も扇風機もない学校の屋根はトタンで室内は蒸し風呂のように暑い。

日本人鍼灸師もネパール人鍼灸師も皆、首に巻いたタオルで汗を拭きながら治療を行っていた。

毎朝7時前に会場に着くと、すでにたくさんの患者たちが行列を作って私たちの治療を待ち構えていた。



患者たちの主な主訴は、頭痛・腰痛・膝痛・頚部痛・半身麻痺・リウマチ・めまい・耳鳴り・神経痛・糖尿病など。

雨が降って服がぬれてもネパール人たちは「服を着替える」という習慣がない。そもそも「毎日服を着替える」という習慣がないのかもしれない。

仕事は主に肉体労働で、50代とも60代ともおぼしき女性が重い土袋を抱えて工事現場で働いていたりする。



ネパールの主な産業は農業だが、日本で目にするような耕作機械はほとんど見かけなかった。


食事は米と豆とジャガイモが主食で、野菜の種類は少ないが、ヒンズー教徒が多いネパール人はベジタリアンも多く、糖質過多のためにお腹だけがぽっこりと出ている人が多い。

必然的に肉体労働と栄養の偏り、衛生環境の悪さが原因となっている病が多くなり、かつての日本同様、患者たちが求めているのは疼痛の緩和である。



私たちの評判を人づてに聞き、バスや徒歩で何時間もかけてやってくる患者たちもいた。

 

初めは疑い深そうな顔をして鍼の痛みや灸の熱さに顔をしかめていた患者が、次の日からは自ら手や足を差し出してくる。

昨日まで苦しんでいた膝や腰の痛みがなくなり、小躍りするようにして帰っていく患者たち。

何年も悩んでいた痛みが治療を重ねるごとに減っていき、痛みで歪んでいた顔が日一日と穏やか顔になっていく。


毎日朝の7時から昼の13時まで、こうした患者たちの治療を行った。


昼食後にはネパール人鍼灸師も交えてカンファレンスが行われ、午後からは自由時間が与えられていた。

とは言っても山間部のこの街は観光するようなところは皆無に等しい。

シャワーからお湯が出たのは初日だけで、次の日からは毎日のように行われる計画停電のお陰で蛇口から水が出ればラッキー、

食事は毎日代り映えのしないネパール食、洗濯物は乾くどころか日本から持参した衣類まで湿っていて、Wifiもスムーズに繋がらない、といった環境で、


日本人鍼灸師達のストレス緩和と気分転換のためにネパール人鍼灸師達がポカラやゴルカに観光へ連れて行ってくれたり、


 


日本人シスターが働く現地の学校を訪問したりした。


京都のノートルダム修道会のシスターたち。
30年以上前にネパールに来て、50人ぐらいの子どもたちから学校を始められ、現在は日本の小中高に当たる数百人の子どもたちの学校を運営されている

 

 

 

 

 


道端で遊んでいる子どもたちが多く、日本人シスターたちに日本語を教わったという子どもたちに日本語で話しかけられることもあった。

小さな街なので街のいたるところで今朝治療をした患者に出会う。

その度に「ナマステ」「ナマステ」と挨拶をする。

 

ネパール人鍼灸師達が行っている治療を見たり話を聞く中で、彼らが鍼灸学校を卒業した後にスキルアップのための勉強をする機会が少ないことを知り、ネパール人鍼灸師のために勉強会も開催した。

講師はアメリカで鍼灸院を運営しながら董氏楊氏奇穴勉強会を主宰している山本崇先生に務めていただいた。

知識に飢えているネパール人鍼灸師達はもちろん、私たち日本人鍼灸師達にとっても学びの多い勉強会となった。

IVAAのヘルスキャンプに参加する日本人鍼灸師達はキャリアも流派もさまざまなため、日本で闇雲に勉強会へ通うよりも多くのことを短期間に学べる、というメリットがある。

異なる意見が飛び交うこともあるが、そんなディスカッションもまた楽しい。

 

そんな風にして8月10日から16日にかけて開催されたネパール・ヘルスキャンプ2017は無事に終了することができた。

ヘルスキャンプには日本人鍼灸師7名、ネパール人鍼灸師7名が参加し、
新患(受入期間8月10日〜15日)男性179名、女性282名、旧患(受入期間8月11日〜16日)878名、
合わせて総計1340名の患者に対して鍼灸治療を行った。

 

ネパール滞在中に現地の経済団体から要請があり、2018年5月にネパールのポカラでヘルスキャンプを開催することが決まった。

 

ネパール・ヘルスキャンプ2018(ポカラ)募集:2018年1月開始

 

引用元:Google

 

また鍼灸学校を卒業した後、スキルアップのための勉強の機会が少ないネパール人鍼灸師に対して、IVAAとして引き続き、ネパール人鍼灸師たちに対して技術支援も行っていくことも決まっている。

ネパール・ヘルスキャンプ2017を応援、ご支援くださった皆さま、ありがとうございました。心からお礼申し上げます。

IVAAは今後ネパールに留まらず、カンボジア・ミャンマー・ラオスなどに活動の場を広げていきます。


 

私たちと共に一緒に活動してくださる鍼灸師の会員を募集しております。

ご興味をお持ちくださった鍼灸師の先生は、お気軽にIVAAまでお問い合わせください。

会員募集

 

■ ボランティア募集要項
ネパール・ヘルスキャンプ2017(バンディプール)について

■ 出発からヘルスキャンプ開始の朝まで
ブログ:日本人鍼灸師団、ヘルスキャンプ開催地・バンディプールに到着!

■ ネパール・ヘルスキャンプ2017(バンディプール)報告会
ブログ:ネパールヘルスキャンプ2017の報告会を行ないました!

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