IVAA 国際ボランティア鍼灸師協会 – 世界の医療の届かない場所に手をさしのべる

カンボジアの支援活動報告

■ カンボジア支援

2017年2月28日(火)日本出発~6日(月)日本帰着

カンボジア支援期間は、3月1日(水)~5日(日)の5日間

特定非営利活動法人ジャパンハートの国際医療短期ボランティアに参加させていただき、鍼灸師としてカンボジア医療活動を行いました。

カンボジアのカンダール州、首都プノンペンの北部にある、2016年5月にオープンしたジャパンハート医療センター(AAMC:ASIA Alliance Medical Center)が活動拠点です。

そこでは、カンボジアの病院と、ジャパンハート医療センターが併設されています。どちらの病院も受付はカンボジアの病院で行われ、カルテの作成もカンボジアの病院で行われます。その中でもカンボジアの病院で対応ができない患者がジャパンハート医療センターで治療を受ける流れになっています。

わたしの活動拠点となるジャパンハート医療センターでは、直接外来の受付をしないことを知りました。わたしがここで鍼灸の施術ボランティアをしていることを知っているのは、病院のスタッフや関係者のみです。最初は「鍼灸の施術を受ける人はひとりもいないのではないか?」と不安になりました。

ところが、「わたしが鍼灸師で、痛みのある患者を施術したい」と、カンボジアの病院の統括責任者やジャパンハート医療センターの看護師に相談したところ、ジャパンハート医療センターの入院患者の中で膝痛の患者を探してくださり、ジャパンハート医療センターの病院責任者とドクターに鍼灸施術の許可をいただき、やっとひとりの入院患者に鍼を施術することができました。

カンボジアでのわたしの初めての患者は、施術後すぐに「手で支えてないと動かなかった膝が、手で支えなくても動く!」と、驚き、嬉しそうに、膝の曲げ伸ばしを何度も繰り返していました。

その翌日、鍼灸を希望する患者がやって来たと聞き、ジャパンハート医療センターのスタッフと一緒に驚きました。その鍼灸を希望された患者に「どこから来たのですか?」と尋ねたところ、「200キロ離れたところから来た」という返事がありました。また、他の患者は「2時間かけて来た」とのこと。施術を初めてから2日目で遠くから患者がやってくることに、さらに驚きました。

どうやら、わたしの施術を見学して、あるカンボジア人のスタッフは、Facebookで「日本からすごい鍼灸師が来ている」とクメール語のコメントと施術中の写真を投稿してくれたり、また他の患者たちが「カンボジアの病院ですごい鍼灸師が来ていると話題になっている」と、口コミで広めてくれたようです。

通常、カンボジアの病院では、土日の新患受付はしていません。ところが、鍼灸の受診者が多かったため、特別に鍼灸だけ新患受付の対応をして下さいました。

おかげさまで、帰国する日まで多くの患者に鍼灸の施術をすることができました。

結局、5日間を通して約70~90名の施術をしました。

ここで、思い出深い症例を2件ご紹介します。

膝を打撲後、水が溜まり化膿して、全然良くならなかった患者。 ドクターに「(将来的に)歩けなくなる」と告げられていた。 ジャパンハート医療センターの看護師に「家族もいるし、子どもも小さいし、歩けなくなったら大変。少しでも楽になるなら鍼灸を受けてみたら?」と勧められ、受診する。 1回目の施術で緩和し、持ってきた杖は必要なくなった。2回の施術をする。

10年間腰痛に悩まされていた患者。 3回の施術後も、改善がみられなく「他の人はよくなっているのに、どうしてわたしはよくならないの?」と質問がありました。 「3回の施術をしてもよくならない場合は、運動器系の問題よりも、内科の問題がある可能性がある」と伝えたところ、そのとき初めて「重い腎臓病の持病があること」を話してくれました。 腰痛と腎臓病が関係があると思っていなく、長年の疑問が溶けたようです。 その後、感謝の気持ちとして果物を差し入れしてくれました。 症状の改善は見られなかったものの、主訴とは関係ないことも含めて人を診る東洋医学ならではの症例です。


疾患は、関節痛の緩和に対する施術がほとんどで、中でも膝痛が一番多く、続いて腰痛や肩痛でした。一度の施術は、主訴1ヶ所か2ヶ所に限るため、ひとりで複数ヶ所の関節痛を持つ方の再受診が多かったです。膝痛が多いのは、カンボジアの国民の8割は農業従事者ということが多少は関係しているのではないかと考えます。

カンボジアでは、現在も医療の知識・技術は遅れ、貧しい人々には医療が届かない状況が続いています。そのため、痛みがあっても、なすすべがなく過ごしている多くの人々がいます。

鍼灸によって痛みが緩和し、施術前にはできなかった動作ができるようになり、笑顔になった患者たちを目の当たりにして、わたしは「日本鍼灸は世界でも通用するんだ」という手ごたえを、ひとしきり感じました。

■ 肩関節の疼痛が日本鍼灸で改善した症例 ㏌ カンボジア

 

■ カンボジア支援 ギャラリー

  • カンボジア医療活動(AAMC)1日のスケジュール

 

特定非営利活動法人ジャパンハート カンボジア医療活動

 

  • カンボジアのジャパンハート医療センター(AAMC:ASIA Alliance Medical Center)の地図

 

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